安全対策情報(平成29年1月~3月期)
1.治安情勢
(1)最近のテロ情勢
レバノンにおけるテロの発生件数は減少傾向にありますが、世界各地でシリア情勢の影響も受けたテロ事件(ISILやその共鳴者によるものなど)が発生しており、シリアと直接国境を接するレバノンにもテロリストが侵入、潜伏している可能性は否定できません。ベイルートを含む各地で治安機関がテロを計画していたイスラム過激派を検挙したとも伝えられており、警戒が必要です。不特定多数の人が集まり警備対策が不十分な繁華街や商業・遊興施設(特に外国人が集まる場所)、治安機関、教会やモスク、ベイルートにおいては特に南郊外(空港寄りのダーヒヤ地区)などがテロの標的となる可能性が考えられます。レバノン滞在中は治安情勢に関するニュースや周囲の状況に注意を払い、危険と思われる場所はできるだけ避け、不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる等、安全の確保に十分注意を払ってください。
期間中の主な事件は以下のとおり。
●ベイルートハムラ地区のコスタカフェにおいて自爆テロを企図したテロリストがレバノン国軍等により逮捕された。同人は自爆ベルトを着用した状態で治安機関により取り押さえられたためテロは未然に防がれた。
(2)誘拐・脅迫事件発生傾向
レバノンにおける誘拐事件の多くは金銭目的で、これまでのところ主な誘拐対象はレバノン人やシリア人の富裕層ですが、ISIL等の過激派による誘拐事件も潜在的な危険として注意する必要があると考えられます。誘拐事件の多くはバールベック・ヘルメル及びベカー県等のレバノン北東部付近で発生しています。犯行グループは事前に被害者の行動を入念に調べた上で犯行に及ぶことが多いため、外出の際には時間や通り道を特定せずなるべく頻繁に変え、周囲の様子に不審な動きはないか気を配るなど、安全対策に十分に心掛けてください。
期間中の主な事件は以下のとおり。
●西ベカーにおいて、夜間同地域を車両で走行中のシリア人1名が武装した何者かに拘束され、所持金を強奪された。同人は数時間拘束された後バールベックの近郊にて解放された。
●レバノン南部ナバティーエ県において15歳の少女が何者かに誘拐された。後日誘拐犯から家族に対し身代金が要求された。
(3)一般犯罪・凶悪犯罪傾向
したケースが多く見られます。また,国内各地にあるパレスチナ難民キャンプ、難民居住区周辺、都市部郊外では犯罪組織間又はレバノン治安機関との銃撃線が生起しやすく注意が必要です。都市部にあっては違法薬物の売買、バイクによる引ったくり等が確認されています。
期間中の主な事件は以下のとおり。
●ベイルート南郊外のビール・ハサン地区において、男性が何者かに鋭利な刃物で刺され現金を強奪される事件が発生した。被害者男性は銀行に現金を預金するため同行を訪れたところ襲われた。
●北レバノン県ズガルタ市において、家族内におけるトラブルに起因した銃撃事件が発生し、1名が死亡、3名が負傷した。
●アッカール県ワディ・ハレド地区において、祝砲の流れ弾によって軍兵士及び市民1名が負傷する事件が発生した。負傷した兵士は同人の家の外にいたところを肩に被弾した。また女性は背中に被弾し、付近の病院に搬送された。
2 対日感情及び日本企業の安全に関わる諸問題
レバノンでは特に反日的な傾向は見られず、一般的には対日感情は良好です。期間中、日本企業が対象となった事件等も確認されていません。